朝、シドニー空港に到着。オーストラリアの「忘忙庵」に向かいます。オーストラリアの忘忙庵は山の中にあるので、レンタカーで行きました。
レンタカーを借りる
今回利用したレンタカーはハーツ(Hertz)レンタカーです。出発前にネットであらかじめ予約を入れておきました。日本語のサイトがあり、また、ハーツだと、オーストラリアや米国、欧州の主要国では、ハーツ運転免許証翻訳フォーム(HDLT)という書類をWebサイトで作っておけば、試験場に行くなど取得が面倒で費用もかかる国際免許が不要です。
現地カウンターで日本国内の運転免許証と一緒に提示すればOKです。
シドニー空港では、国際線はターミナルT1に着きます。自動化された入国審査を通り、税関と検疫を通ります。
独自生態系をもつオーストラリアの検疫は厳しく、動植物、食べ物の持ち込みは全面的に禁止されています。今回はありませんでしたが、検疫では、よく、枠の中に並ばされてワンちゃん(検疫犬)にクンクンされます。バッグや上着、ズボンのポケットあたりを嗅がれるのですが、この時の検疫犬たちがとてもりりしく、ほんの一瞬ですが検疫犬に出会うのを楽しみにしていたりします。
晴れて入国すると到着ロビーに、ハーツ・レンタカーのカウンターがあります。
往路のシンガポール・チャンギ空港のラウンジで、レンタカーのチェックインを済ませておいたので。カウンターで予約内容の確認と免許証の確認、クレジットカードで有料道路のデポジット300AUDを加えたレンタル料金の支払いを終えると、キーが入った封筒を渡されました。封筒には車が置いてある駐車スペースの番号が書いてあり、「向かいの駐車場ビルP7へ行け」と案内されます。
P7は、ターミナル到着ロビーを出て横断歩道を渡ると目の前にあります。

P7に入るとすぐ右手に、

レンタカーをピックアップするコーナーがあり、封筒に書いてある番号の区画に行くと、

指定のカローラ・クロス・ハイブリッドが置かれていました。
カーナビは付いているか
オーストラリアでレンタカーを借りるのは初めてでした。ひとつ心配なことがありました。以前、米国でレンタカーを借りると、ハーツのような大手でも、車にナビが装備されておらず、オプションでポータブルナビを借りると、1日$5~$7かかったりしていました。そのため、15年ほど前に、Garminのポータブルカーナビを、ヤフオクで買ってアメリカ旅行に持って行ったりしていました。こんなやつです。アメリカでのレンタカー旅行では大活躍していました。

買った際に、北米の地図付きで、いつも最新版をダウンロードできる権利付きのものにしていましたが、オーストラリア版の地図は入っていません。正式版のSDカードは3万円近くします。ヤフオクで買っても5千円。
ただ、Garmin用地図は、世界中の自転車用地図を作っているBBBikeというボランティア団体?があり、こちらのサイトで必要な地域をダウンロードすることができます。(英語です。寄付のお願いもあったりします。)
国によっては、政府が住所データを提供するなど、かなりしっかりした地図で、旅行ドライブには十分なものです。これで、シドニー周辺の地図をダウンロードすることにしました。
自分のGarminにあったフォーマット(ドライブならGarmin OSM(latin1)で十分)を選び、地図で必要な国または地域の名称を入れてすぐ右のor searchをクリック、さらにポップアップのリンクをクリックすると、入力した地域の地図が表示されます。hereボタンをクリックすると、

□が現れます。必要なエリアが□の中に納まるように大きさと位置を調整して、メールアドレスを入れてextractボタンを押すとデータが作成され、ダウンロード可能になると、このようなタイトルのメールが届きます。
BBBike extract: area ‘シドニー, Council of the City of Sydney, ニューサウスウェールズ, オーストラリア’, format=garmin-openfietslite-latin1.zip is ready for download |
メールのリンクをクリックして、Zipファイルをダウンロードし、展開すると、~.imgというファイルがあり、それを、手元のデバイスの地図フォルダにコピーすればOKです。無事オーストラリアの地図データがセットできました。

シドニー国際空港周辺の地図です。ちゃんと、レンタカー返却の時の軌跡が水色で残っています。
フロントガラスに吸盤でセットできるマウントや、シガーライターからの電源兼交通情報データ取得用のFMアンテナなどワンセットでケースに入れて持ち歩けます。

今回も、万一ナビがついていないと、スマホのナビアプリになってしまうので、車載マウントなど持っていないし、(オーストラリアでも運転中のスマホ操作は停車中でも厳罰だそうです)大変なので、念のためGarminを持っていきましたが…

借りた車には、ちゃんと立派なナビが標準でついていました😥 ちなみに、カナダでハーツの車を借りた時も標準でついていました。
ただし、いまだにアメリカではレンタカーにナビは標準で装備されておらず、スマホをつないでスマホ画面を大きく映してタッチ操作できるディスプレイがついているものが多いようです。以前はアメリカで主流だったポータブルナビのレンタルもなくなりつつあるようです。
オーストラリアでの運転、3つの注意点
オーストラリアは、日本と同じ右ハンドル左側通行なので、アメリカで運転するようなストレスはありません。
標識は日本と同様、英語で補足が付記されていることに注意とか、「カンガルー飛び出し注意!」など、オーストラリアらしい標識など注意点はいろいろありますが、その中で、特に出発前にしっかり頭に入れておかなければならない重要なことが3つあります。
1.信号機
信号機の赤、青、黄は日本と同じですが、オーストラリアの幹線道路の大きな交差点では、たいていこのような縦2列に並んだ信号機があります。

左折・直進のときは左の列、右折のときは右の列の信号に従います。左の例では、
直進可、右折は止まれ
です。右青矢印が出るなどいくつかパターンがありますが、すぐに慣れます。
2.ラウンドアバウト(Roundabout)
いわゆるロータリー式の交差点です。郊外の交通量の比較的少ない交差点は、信号がなく、このラウンドアバウト式のほうが多いので、必ず遭遇します。
ラウンドアバウトは、時計周りに通行することになっていて、基本的なルールは、「右方優先」つまり、右から来る車が常に優先ということになります。

ラウンドアバウトに入ろうとするとき、右からラウンドアバウトを回ってくる車が見えたら、止まって待たなければなりません。自分がラウンドアバウトを回っているときは、自分が優先です。
左折の場合は、左ウインカーを出し、曲がります。直進の場合はウインカーを出さずに進入して、ラウンドアバウトの外寄りを回り、出るときに左ウインカーを出します。
右折やUターンのときは、右ウインカーを出しながら進入し、より中心近くを通り、ラウンドアバウトから出るときに左ウインカーを出すという具合です。少し大きなラウンドアバウトでは、円周部分が2車線になっている場合がありますが、通過の仕方の基本は同じで、ラウンドアバウトの中で外周側の車線を走っているとき、右側の内側車線から出ようとする車がいれば、前を譲ってあげなければなりません。
皆、きちんとこのルールを守っており、譲り合いということも起きず、お互いの信頼関係で事故が起こらない仕組みです。
3.駐車(路上駐車、駐車場)
オーストラリアは、大きな都市の中心部を除き、路上駐車ができることろが多くあります。ただし、どこでも駐車していいわけではありません。路上駐車する場合には、必ず写真のような駐車標識を確認する必要があります。

初めてでは何を意味しているか分かりません。
左側のPはここから左側は路上駐車可という意味。ただし90°ANGLE PARKINGは、縁石に直角に止めなさいということです。たいてい、駐車区画が白線で表示されています。
右側はいろいろ書いてありますが、
2P: 最大2時間まで駐車可
PHONE OR METER : PHONE(意味不明です。SMSを使うようですが💦)METERは近くのパーキングメータでチケット購入してダッシュボードに掲示しなさいという意味
90°ANGLE PARKING: 縁石に直角に置く
8:30AMー6:30PM: この時間帯に限り駐車できます
SEVEN DAYS & PUBLIC HOLYDAYS: 子の標識は曜日にかかわらず、祝日を含み毎日有効です
PERMIT HOLDERS EXPECTED: 許可証を持っている人は除く(居住者?、身障者?)
といった具合で、このほかにも、いろいろなパターンがあるので、あらかじめ調べておくことをお勧めします。
パーキングメーターは、こんな感じで、タッチ式のクレジットカードで支払いができます。

また、観光地やショッピングモールなどの大きな駐車場でも、出入り口にゲートや精算機がない駐車場があり、駐車場内に、このような同じ標識があり実質有料駐車場になっているところが多くあります。
駐車違反の取り締まりは、いわゆる駐車管理員のような方が頻繁に見回りをしているそうですので、ルールを守りましょう。
そのほかにも、英語の交通標識、有料道路(基本的に料金所はなく車載器やナンバープレートで課金なので、レンタカーの場合は、駆り出しのときにカウンターでデポジットの支払いが必要)など、日本と異なるところがいろいろあるので、事前に、ガイドブックやレンタカーのサイトなどでよく調べておくことをお勧めします。
オーストラリアでは「有料道路≠高速道路」
交通規則ではありませんが、もうひとつ注意点があります。
シドニー周辺や、郊外に向かう道は、高速道路(自動車専用道路)がよく整備されていますが、高速道路がすべて有料とは限りません。同じ路線でも区間によって、有料と無料の区間があったりします。基本的に、ETCのような無線式のゲートか、カメラでナンバープレート読み取り、あらかじめ登録したサイトで支払いをする方式のゲートで、速度も落とさず通過できるので、いつの間にか有料区間を走っていたとういことが起こりえます。
ちなみに、ナンバープレート読み取り式でも、事後数日以内なら、サイトに登録して支払いができるようですが、レンタカーは、レンタカー会社によって課金・請求方法が異なるので、確認しておくほうが無難です。
有料道路は一般的にTOLL(トール)と呼ばれていて、その目印になるのが、

写真の右側の黄色で囲まれた青い行き先表示です。小さくてわかりにくいですが、EASTLINKの上に小さく”TOOL”とかいてあります。
もちろん、ナビで「有料道路回避」の設定をしておけば、有料道路を通らないルートを案内してくれます。
目的地はブラックヒース(Blackheath)
オーストラリアの忘忙庵に向かって、いざ出発です。
オーストラリアの忘忙庵は、シドニーから車で2時間ほど西に向かって走った、ブラックヒース(Blackheath)という街にあります。このようなルートになります。
ブラックヒースは、観光地として有名なブルーマウンテンズ国立公園にあり、公園の中心の街カトゥーンバやルーラから10kmほどさらに奥に入った、標高1,000mほどのブルーマウンテンズの最高地点近くの街です。
食材の買い出し
途中、ハイウェイをいったん降りて、スーパーに立ち寄り、ランチと夕飯の食材の買い出しをしました。
郊外の小さな住宅地にある、スーパーIGAです。

シドニーの街中のIGAと違って、大きな駐車場があり、地元の方々が次々に買いに訪れていました。
ルーラ(Leura)の街
ブラックヒースに向かう途中、ブルーマウンテンズ観光の拠点の街のひとつ、ルーラに立ち寄りました。
ブルーマウンテンズの一番の中心は、見どころが周囲に集中するカトゥーンバで、いつもたくさんのツアーバスが行き交い、多くの観光客でにぎわっていますが、ルーラは小さい街で、ルーラ・モールという駅からの目抜き通りが中心です。
ルーラの駅はこんな感じのローカル駅です。

車で来る人が圧倒的に多いので、駅はこじんまりとしています。ルーラ・モールは、駅側から見るとこんな雰囲気です。

300mほどの坂道に沿っておしゃれなカフェや手工芸品を売る店、お土産屋さん、地元の方のための商店などが立ち並び、観光客も街歩きを楽しんでいます。
このお洒落な街並みを眺められるベンチに腰掛けて、スーパーで買ったサンドイッチでランチを済ませました。
忘忙庵のチェックインタイムには、まだ時間があったので、ブルーマウンテンズの景色を楽しんでいくことにしました。
ブルーマウンテンズ国立公園とは
ブルーマウンテンズ国立公園は、複数形になっていることからもわかるように、一つの高い山があるのではなく、この地域の山々を総称してつけられています。
地図ではわかりにくいですが、このような地形になっています。

https://www.flickr.com/photos/26602074@N06/3661282705
この地図は、1909年に、ニューサウスウェールズ州の鉱山局が作成した地形図です。地図の横方向で30kmほど、縦15kmほどのエリアがブルーマウンテンズと呼ばれていて、切り立った崖で縁取られた台地(茶色の部分)と、川に浸食された深い谷がフィヨルド海岸のように入り組んだ地形になっていて、この地域特有の景観を作っています。
台地の上も、谷底も、ユーカリの森が広がっており、特に谷底は深~いユーカリの森で、ユーカリの樹から発散される油分で、一帯の空気が青いもやがかかったようになることから、ブルーマウンテンズの名前が付いたそうです。
カトゥーンバやルーラ、ブラックヒースはこの台地の上にあります。
そして、この崖っぷちにのあちこちに、展望台やトレッキングトレイルがあり、カトゥーンバには、ロープウェーやケーブルカーなどで谷の底まで簡単に行ってこれるようになり、多くの観光客を集めています。
こちらは、ブルーマウンテンズ国立公園の公式サイトです
ブルーマウンテンズ国立公園は、太古の昔からある貴重な地層や絶滅危惧種とされている動植物が多く住んでいて、 こうした美しく雄大な大自然が評価されて、2000年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。
ブルーマウンテンズには、そこら中に展望台がある
ブルーマウンテンズの長い崖っぷちには、そこら中といっていいぐらいに展望台が整備されています。その中で、手はじめに、ルーラの街からほど近い、オリンピアン・ロック(Olympian Rock)という展望台に行っみました。
ルーラ・モールを南へ進み、にぎやかな街を抜け、1kmちょっと走り突き当りのT字路を左に曲がってすぐのところに、展望台とトレイルの入り口があります。

ここを曲がると、車数台が止められる駐車場があり、

その先に、展望台への入り口とトレッキング・トレイルの案内がありました。

右の張り紙のように、現在展望台とトレイルは一時的にクローズと書いてありましたが、展望台のそばまではいけるようです。この先の階段を下りていくと、

こんな景色が広がっています。展望台は入れませんが、

その手前で、十分景色が楽しめました。180°のパノラマで、とてもカメラでは収まらないのでビデオにしてみました。
このあたりのグーグルマップを拡大してみるとわかりますが、ブルーマウンテンズの崖っぷちのあちこちに、”**Lookout”というポイントがあります。この「ルックアウト」というのが展望台のことです。
特に、カトゥーンバやルーラの周辺には展望台が密集しています。
雄大な景色を楽しんだあと、いよいよオーストラリアの忘忙庵に向かいます。
オーストラリアの忘忙庵はChalet at Blackheath
オーストラリアの忘忙庵が何なのか? さんざん引っ張ってしまいましたが、ここで種明かしです。今回の旅行でお世話になったのは、ブラックヒースにある、シャレー・アット・ブラックヒース(Chalet at Blackheath:以下「シャレー」と省略)という、スモール・ラグジュアリー・ホテルというグループが運営するヴィラタイプのホテルです。
場所は、ブラックヒースの街に入る少し手前を右折して、崖っぷちのほうへ5分ほど走ったところにあります。
どこかの別荘地のアプローチのような雰囲気の道を進んでいきます。

だんだん周りに建物がなくなり、うっそうとした雑木林の道になります。
そして、こんなところにあるの?っと思い始めたとき、シャレーのゲートが突然現れます。

右にある端末に、あらかじめメールで知らせていただいた番号を入力すると、ゲートが開きます。
4台しか止められない駐車場に車を置くと、スタッフが笑顔で近づいてきて、ゲート近くにある「ライブラリー(Library)」と呼ばれる小さな建物に案内され、チェックインです。

ここは、ホテルのフロントでもあり、朝食会場でもあり、滞在中自由に入って、セルフですがお茶やコーヒーを作って飲んだり、本を読んだり、PC作業をしたりすることができるフリースペースになっていました。
チェックインを終え、コテージのカギを受けとって案内されたNo.1のコテージは、

明るい林の間の小道を抜けた先にありました。

モダンでシンプルな平屋のコッテージでした。
あれ、なんだか、以前の私のブログ記事「AIで別荘を造る!?」で紹介したAIデザインの別荘に雰囲気が似ていませんか?

これがAIが造った忘忙庵のイメージです。
木を基調とした外観に、黒のデザイン上のアックセントというところ、、デッキがあり玄関がないところ、あとで紹介しますが、一棟丸ごとワンルーム、といったコンセプトがとても似ています。
それで、「これは、オーストラリアの忘忙庵だ!」と思ったわけです。これから2泊、オーストラリアの忘忙庵を楽しみました。
次回からは、その様子を紹介したいと思います。
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