公共交通機関を使って街を歩くのを良しとしている私たちは、観光はできるだけ電車、バス、地下鉄などの公共交通機関を使います。
シドニーの交通機関は、電車、バス、ライトレール、地下鉄、フェリーなどがありますが、いずれも、距離制の運賃ですが、ピーク運賃・オフピーク運賃や週末運賃など複雑に料金が変動します。
TransportNSW 週末のDaily Cap料金を活用
その中で、観光に最も重要なのは、Opalカードと、
Opalカードで交通機関を使ったときに適用される、デイリーキャップ(Daily Cap)と呼ばれる、「上限料金」です。
シドニーのバス、電車、地下鉄、ライトレール、フェリーは、ニューサウスウエールズ州のTransportNSWというところが運営していて、JRのSuicaのようなOpalカードを利用することができます。Opalカードは、駅の窓口で購入できるほか、街中のキオスク(売店)やコンビニでも買うことができます。また、駅の券売機や、アプリにクレジットカードを登録すれば、アプリからチャージ(Top Upという)することもできます。
Opalカードで交通機関を利用していると、自動的にこのDaily Cap料金が適用されます。その料金は
適用される日 | 料金(オーストラリアドル) |
月曜日~木曜日(一日の上限) | 18.70 AUD |
金曜、土曜、日曜、祝日(一日の上限) | 9.35 AUD |
一週間あたり(月曜から起算) | 50 AUD |
この日は、金曜日だったので、9.35 AUDの週末料金を使って、フェリーやライトレール、電車を乗り倒そうということです。中でも、フェリー料金は最短距離でも7.13AUDなので、短い区間でも2回乗れば元が取れ、その後はいくら乗っても追加の料金はかかりません。
さあ、どこに行こうか
シドニーには、過去に何度か行ったことがあります。今までに、
オペラハウスや、
セント・メアリー大聖堂や
ニュー・サウス・ウエールズ州立図書館など
市内の観光名所や、クカトゥー島(昔、監獄だった島)やボンダイビーチなどのビーチ・ウオークなど、
少し足を延ばしたところ、フェリーターミナルのサーキュラー・キーからフェリーで12分ほどのタロンガ動物園など、
観光ガイドに載っている観光スポットは、だいたい行ったことがあるところが多かったので、今回は、フェリーで少し郊外に足を延ばしつつ、シドニー湾のクルージングを楽しもうという作戦です。
フェリーを乗り倒す
シドニーのフェリーの路線は、このようになっています。
図の中に書き込んだように、フェリーターミナルのサーキュラー・キーを中心に、ハーバーブリッジ、オペラハウス、タロンガ動物園、クカトゥー島、マンリービーチ、ワトソンズ・ベイなどの見どころ、景勝地がフェリー航路近くにたくさんあります。
フェリーの最長路線はF3!
今回は、週末のデイリー・キャップを使ってたくさんフェリーに乗ろうということで、まず、シドニー湾の西方奥深くへ行く、F3の路線の終点から2つ手前、シドニー・オリンピック・パークを目指すことにしました。シドニーフェリーの一番長い路線です。
桟橋にある、カードリーダーにOpalカードをタッチして乗船。乗るとき、降りるとき両方タッチが必要です。
船内はこんな感じです。
ただ、季節は春。多くの人が2階のデッキに出て、風をきる爽快感と沿岸の風景を楽しんでいました。
オリンピック・パークまでは、40分ほど。途中、沿岸には、桟橋というより”岸壁”を備えた豪邸や、
とても珍しい、車を数台運べるぐらいの渡し船がありました。
この渡し船、モートレイク・フェリーと呼ばれる路線で、1928年の就航だそうです。スクリューや操舵はなく、海底に張られたワイヤーを引き上げてたぐることで進む、ケーブルフェリーと呼ばれるものです。私たちの乗ったフェリーは、モートレイク・フェリーの路線を超えるときは、かなりスピードを落として航行していきました。ワイヤーにひっかかってしまう事故などは起こらないのか、余計な心配をしてしまいます。
シドニー中心から離れるにしたがって、沿岸には、桟橋にクルーザーが留めてあるような豪邸が多かったところから、低層のマンションというかアパートといった感じの住宅が並ぶようになってきます。
オリンピック・パーク
オリンピックパークは、2000年のシドニーオリンピックの時に、様々な競技施設がつくられた総合運動公園ですが、フェリーのオリンピック・パークはそこから少し離れています。フェリーのワーフ(埠頭)のそばには、マンションが立ち並んでいて、
1階は各種商店があり、東洋系の方を中心ににぎわっていました。
商店街の中には、ここは北京か香港か?と思うような中華系のスーパーもあり、
ダックのロースト(頭付き💦)、野菜類や、
フルーツなどが、所せましと並んでいます。
シドニー市内より少しお得な値段で売られていました。お客さんも、中国系と思われる方を中心に、半分以上が東洋系といった雰囲気です。
近くに、オーストラリアのシープスキンを使ったブーツの人気ブランド、UGGのアウトレットがあるということで、見に行ったりしました。
周辺をしばらく散策したあと、お腹が空いてきたので、ショッピングモールにあるバインミー(ベトナム風のフランスパンのサンドイッチ)やさんで、ランチにしました。
ロール・ハウスというお店です。メニューは、
値段は、10AUD~12AUDぐらい。当時のレートで1000円~1200円ぐらいと、やはり円高気味で少し高かったです。定番のロースト・ポーク・ロール(11.5AUD)をチョイス。野菜とシャンツァイ(香菜)マシマシでお願いしました。
パンは、カリカリに焼かれていて野菜タップリ。シャンツァイも良く効いていてベトナムで食べたバインミーに近い美味しいものでした。
F3路線は本数が少ないので、オリンピックパークにはあまり長居をせず、フェリーでサーキュラーキーに戻ることにしました。
フェリーでの帰り道では、蒸気船のショーボート風のシドニー湾クルーズ船などにも出会いました。
もうすぐハーバーブリッジをくぐります。
次は、F4 ピモント・ベイ行
サーキュラーキーに戻り、次に乗った路線は、F4のピモント・ベイ行きです。この路線は、ハーバーブリッジをくぐり、対岸のミルソンズ・ポイントやバランガルーなど、見逃せないスポットを結んでいるため、いつも観光客で混雑しています。
サーキュラーキーを出航、クルーズ船のそばを通ります。クルーズ船の船体の色を覚えておいてくださいね。
この路線に乗ると、ハーバーブリッジの下からオペラハウスとシドニーの摩天楼をのぞくという、シドニーのあるある風景も見れます。
ミルソンズ・ポイント
対岸のミルソンズポイントには、
ルナ・パークという遊園地があります。
さらに、湾を横断し、バランガルーという埠頭に着きます。バランガルーは、もともと単なる船着き場で、船舶・港湾施設しかなかったところを、ニューサウスウエールズ州が2003年ごろから再開発して、商業オフィススペースとレクリエーションエリアとしたものです。
こちらは、2012年ごろの再開発の真っ只中の写真だそうです。後ろ側から見た風景です。
そして、工事が完成した今の姿は、
2023年に工事が完成し、高層オフィスビルやマンション、商業施設ができ、これからどんどん人が集まるようになるのではないかと思います。
ピモント・ベイでライトレールに乗り継ぎ
終点のピモント・ベイに着きました。
ピモント・ベイ近くには、国立海洋博物館やカジノなどがありますが、それらはパスして、最寄りのライトレールのピモント・ベイの駅から、西へ向かい、フィッシュ・マーケットなども通り過ぎて、ジュビリー・パークを目指します。
ちなみに、フィッシュ・マーケットも有名観光スポットですが、数年のうちに現在の位置から少し離れたところに拡大移転するそうで、工事も始まっています。築地市場の豊洲への移転みたいなものですね。
トラム(路面電車)の車庫跡にできたスポット ”トラムシェッド”
目的地は、トラム・シェッド(TramSheds)という商業施設です。
トラムシェッドは、もともとシドニーの街を走っていた路面電車(トラム)の車庫だったところを再開発して商業施設にしたものです。
そういえば、このパターンは、規模こそ違いますが、ニューヨークのハドソン・ヤードと似ています。
旧田町車両センターの跡地を利用した、山手線の高輪ゲートウエイもそうですね。万国共通です。
トラムシェッドの中は、古い工場のような明り取りの天窓がついた建屋の中に、
さまざまなジャンルの飲食店や、Supamartというスーパー、フードコートなどたくさんのお店が並んでいます。一部はまだ工事中でした。
古いトラムの車両も置かれていて、お子さんも喜びそうな楽しい雰囲気です。ライトレールの駅側と反対側のエントランスを出ると、大きな駐車場があり、たいていのお客さんは車で来ていることがわかりました。
ライトレールの駅側はいわゆる裏口でした。
駐車場の路面には、操車場のレールの跡がまだ残されていました。ライトレールの駅に戻る入口の前には、
ワンちゃんを繋いでおくところに、ご主人の帰りを待つワンちゃんが繋がれていました。モールの中は盲導犬など介助犬以外はペット禁止になっています。そういえば、この辺を散歩している🐶は、みんな大きいです。通りがかりの人がみな、声をかけていました。
ジュビリー・パーク駅に戻り、
ライトレールに乗って街に戻りました。
明日は、ハーバーブリッジを歩いて渡るつもりです。
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