ちょっとワシントンDC⑤ ースミソニアン航空宇宙博物館 Steven F. Udvar-Hazy Centerその2ー

海外旅行

今回は、前回に引き続き、スミソニアン航空宇宙博物館 Steven F. Udvar-Hazy Center(ハジーセンター)の展示の続きを紹介します。

前半の記事はこちらです。

前半は戦闘機・爆撃機が続きましたが、今回は、民間機、そして宇宙船・ロケットのコーナーの紹介が中心です。

民間機

こちらは、ドイツのユンカース Ju-52/3m。

ドイツのルフトハンザ航空が、戦前から戦後にかけ1980年代まで運航していた17人乗りの旅客機だそうです。戦中には輸送機としても使われました。

こちらはボーイング社の、ボーイング307です。

こちらは、世界で初めて高空でも機内を地上に近い圧力に保つ与圧キャビンをもった旅客機で、戦前、戦後に使われたものです。与圧技術は先に紹介したBー29にも流用され、乗員は高度9,000mでも酸素マスクなしで乗務できたそうです。この機体はパン・アメリカン航空のものです。

続いて、なんだか馴染みのあるシルエットのジェット旅客機、ボーイング707の原型機です。

元は輸送機として1950年代に開発が開始され、1958年に初めて旅客機として路線就航したもので、翼下に追り下げたジェットエンジンなど、現代の多くのジェット旅客機に通じる基本形を作った機体だそうです。また、ボーイング社はそれ以降のジェット旅客機に、次々にボーイング7X7と命名するきっかけになった機種で、今でもボーイング787まで続いています。次はいったいどうするのでしょう?797?

民間機最後は、一番見てみたかった機体、超音速旅客機コンコルドです。

フランスとイギリスがぞれぞれ開発していた超音速旅客機の構想があまりに似ていたために、共同開発することになったという機体で、「協調する」という意味でコンコルドと名付けられたそうです。

1970年にワシントンDCーロンドン間に就航、最高速度マッハ2.2で、最短2時間52分59秒で飛んだそうです。その後、ロンドン・パリとニューヨークなどの間を運行していました。ただ、燃費が悪く、2000年には墜落事故を起こしさらに、2001年の同時多発テロ後の航空不況に見舞われ、2003年に、運航していたエールフランスとブリティッシュ・エアウエイとも営業運航を終了。

実物を見た感想は、えっ?と思うほど小さく見え、全長62mもあるとは思えない流麗なシルエットでした。速度を追求するとこんなんなってしまうのか、という感じです。展示の機体はエールフランスが運航していたもので、旅客定員128人だそうです。

そして、もう1機、エントランスのすぐ前の冷戦期のエリアで目を引くのが、ロッキードSR-71 ブラックバード、ステルス性能をもち高高度をマッハ3.2で飛行できる超音速戦略偵察機です。

写真のように間近で見ることができます。ステルス機独特の形と、機体に対するエンジンの大きさが目立ちます。戦争に使われるのが残念ですが、独特の美しさがあると思います。

スペースハンガーのロケット・宇宙船・ミサイル

次は、宇宙コーナーです。

コンコルドの次に見たかったのが、こちら、スペースシャトルうちの1つ、ディスカバリー号です。

以前、フロリダにあるケネディー宇宙センターに行ったときに、アトランティス号の実機を見たことがあるのですが、ハジーセンターでは、前から後ろからほんとに間近から見ることができるので、迫力があります。 

コンコルドと対局で、こんなに大きなものをよくも宇宙まで飛ばしていたものです。最後まで課題だった耐熱タイルの焼けた色が、大気圏再突入の熱がいかに大変なものかを物語っています。実機ならではです。

宇宙コーナーには、スペースシャトルだけでなく、ジェミニ宇宙船の実機や、火星探査機マーズ・パスファインダー(Mars Pathfinder)が展示されていました。

エアバッグを膨らませたクッションで軟着陸するという、ローコストな方法で火星探査を実現しています。実際のものは火星にあるので、展示物は実物大のモックアップか何かだと思います。そして、搭載されていた、ローバーも再現されています。

そして、ミサイルの展示もありました。

アメリカ海軍の艦対地巡航ミサイル、RGM-6レギュラス。

1955年に配備されたそうです。ロケットエンジンで発射、ジェットエンジンで巡航、核弾頭を載せることを目的に開発されたものだそうです。

ロケットの仲間とはいえ、ミサイルを展示している博物館は世界でも珍しいのではないでしょうか。

修復作業エリア(MARY BAKER ENGEN RESTRATION HANGER)

こちらは、2階からガラス越しにしかみることができませんが、展示機の修復などの作業をしている作業場で、世界のあちこちから集められた機体の原型を再現する作業をしています。この日は週末だったので作業をしている人はいませんでした。

修復だけでなく、NASAが一時民間企業と開発しようとしていた、有人宇宙往還機「Dream Chaser」の模型らしきものも置かれていました。一時はスペースシャトルの後継機として検討されていたと思います。

このような作業をしている人々、きっと、楽しくてしょうがないのではないでしょうか。

そろそろ、展示紹介は終わりにしますが、主な見どころを紹介しただけで、こんなんになってしまいました。長々とお付き合いくださった読者の皆様、どうもありがとうございました。

紹介した飛行機以外にも、多くの戦闘機、民間機、スポーツ目的の機体、宇宙船や人工衛星など、数多くの展示があり楽しめます。

飛行機好きの方、歴史好きの方、また、メカや宇宙の好きなお子様などがいらっしゃいましたら、ぜひワシントンDCの本館と合わせて訪れてみてはいかがでしょう。見ごたえがあるので、じっくり見たいなら、それぞれ1日ずつ取っても良いかと思います。

それから、現在、本館は一部改修が進んでいるようなので、あらかじめ下調べをしておくことをお勧めします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました